この文書は,九州大学工学部電気情報工学科および同大学院システム情報科 学府情報工学専攻・知能システム学専攻で卒業論文・修士論文を提出する人のた めに,同学科・同専攻で求めている卒業論文・修士論文の体裁と提出上の注意を まとめたものである.
これは,平成19(2007)年2月現在の内容であり,将来変更される可能性もある. また,九州大学工学部電気情報工学科および同大学院システム情報科 学府情報工学専攻・知能システム学専攻からの公式アナウンスではないことをお 断りしておく.
オマケ:試問を受けるときの服装
現在,手書きで卒業論文・修士論文・博士論文を執筆し提出する人はほとんどい なくなった.ワープロ・LaTeX 等を用いて整形した文書を上質紙にプリントアウ トして提出することになる.
卒業論文・修士論文は,最終的には,提出者が卒業・修了した後に硬い黒表紙を 付けて製本され背表紙に金文字で題目と提出者氏名が付けられて,電気系図書室 に配架される.しかし,提出され口頭試問で判定を受けるまでの間は,仮の表紙 を付けて綴じ紐で仮綴じしたままの状態で提出者と指導教員の間を受け渡されること になる.
綴じ方の概要を図1に示す.

電気情報工学科,情報工学専攻,知能システム学専攻では,ページサイズは A4 と決められている.
仮の表紙・裏表紙はただの厚紙である.これは製本業者に渡すまでの間,論文本体 を保護するのが目的であるので,最終的には捨てられる.間にはさまれている論 文本体だけが製本されるので,そこにも表紙が残っていなければならない.
したがって,厚紙の表紙には,論文本体の表紙と同じものを貼っておくこと.
また,この仮表紙には,情報工学専攻・知能システム学専攻では専攻事務室によ
る提出日付印が,電気情報工学科では指導教員の確認印と電気情報工学科教務事
務室の提出日付印が,それぞれ押されていなければならない.したがって,事務室に提出したときの論文題目は,もはや試
問のときまで変更できない.よくよく考えてから,指導教員の先生と相談の上,提出すること.
綴じ紐は最終の製本時にははずされるわけであるが,それを通した穴はその
まま残ることになる.したがって,穴はできるだけ小さいほうが製本後目立たなくてよい. 通常の穴開け器(パン
チャー)を用いると直径5mm以上の巨大な穴が開いてしまってみっともないので,使わない.千枚通しで開けるか,ドリル式の穴開け器または
ハンドドリルに細目のドリル刃(ビット)をセットして使うのがよい.
上記と同じような理由から,用紙の左端から穴までの距離も,そんなに大きくとらなくてよい.分厚い表紙が着く上に,論文自体にもかなりの厚 みがあるのだから,1cm もあれば十分だろう.
穴を開ける際には,穴を開けようとする用紙の束全体をペーパークリップなどではさんでずれないように固定しておくと作業がしやすい.分厚い
論
文を半分ずつくらいに分けて開ける場合や,すでに穴を開けた表紙に合わせて本文の用紙に穴を開ける場合には,鉛筆や先の尖った針などでちゃんと目印をつけ
て
から開けること.表表紙から本文を通って裏表紙まで,穴の位置がきっちりそろっていないと,綴じ紐でうまく綴じられない.
表紙を貼るのに水分を含んだ糊を用いると,紙がふにゃふにゃになってきれいに仕上らない.スティック糊はまだましであるが,これも糊を塗り 付ける際に力が入って用紙が部分的に伸びたりするので,表紙一面の ように広い部分に塗って貼り合わせるのには(あなたがよほど手先の器用な人でない限り)あまり適していない.このような場合には,スプレー糊を使用するのがよいと思う(いずれ捨てられる表紙とは言え, ほんの少しの手間できれいに仕上がるのだから).先生は科学研究費その他の申請書を作るときに使ったりするので,あたりを見渡してスプレー糊が見つからな いときは,お持ちでないか先生に尋ねてみるとよ い
大きな図面などを含める場合には,A4サイズではページが小さ過ぎることが ある.その場合には,A3サイズの用紙を横向きにして,折り畳んで使用する. ただし,最終の製本時にはA4サイズの用紙の周囲を若干裁断して側面がきれ いになるように細工するため,折り畳んだページの折り線がA4のページサイ ズのぎりぎりの位置にあると,折り線の部分が裁断されてページが泣き別れ になってしまう.このため,折り畳みページを追加する際には,折り線がA4 ページの右外縁から1cm以上余裕を持って内側にくるように折っておくこと.
各ページの体裁(表紙の書式やページの余白等)は,掲示板等で告知されているの で,それに従うこと.
LaTeX を使用する場合には,卒業論文・修士論文用の九大電気系ローカルなスタ イルファイルが出回っているので,それを適宜改良して使用すること.
Microsoft Word などで作成する場合には,各段落に設定する「スタイル名」を あらかじめきちんと定義しておき,章・節・小節のタイトルの書式や文字サイズ, 箇条書き,番号付きリストの書式などがすべて同じ体裁になるようにスタイルを 設定すること.「標準」のスタイルをいちいち個別に手作業で変更する人もいる が,それでは,あとになって章タイトルのフォントを一律に変更したい,などと 思ったときに大変な思いをすることになってしまう.
ワープロで書式を論文全体にわたって自由自在にコントロールできるようになる までには,ある程度の経験が必要となる(特に,Microsoft Word での箇条書き等の番号のコントロールに,天野は今でも四苦八苦するありさま…).このため,天野は,これま でのところ,ワープロによる卒業論文・修士論文の作成はあまり勧めておらず, LaTeX の利用を推奨している.(もちろん,卒論・修論以前から LaTeX になれ親 しんでおいて欲しいわけだが)
卒業論文・修士論文の他に,口頭試問の会場に「予稿」を持参し,教官や他の聴 講者(もしいれば)に配布しなければならない.事前に公表される「試問スケジュー ル」におおまかな必要部数が書かれているはずである.
さて,予稿のフォーマットは特に明確には指定されていないが,どの試問グルー プもだいたい,「A4 で 1 ページ,800字程度(以内?)」とされている.大学院 演習の予稿にならい,以下のような事項を記載するようにすること. 先輩に相談すると,サンプルがもらえるかも知れない.
論文の概要の部分については,卒業論文・修士論文の本体についている「概要」 「Abstract」が上記の文字数の制約を満たしていれば,それを流用しても構わな い.
ただし,予稿は口頭試問のための発表の資料であるから 「本発表では,…… について報告する.」というような文章になることもある.こういう文を選んで予稿を作成した場合には,これを論文本体の中の概要に使うと大変奇妙な表現に なってしまう ことに注意されたい.
最後に,予稿の本文(卒業論文・修士論文の概要)を書く際には,以下のことに注 意されたい.
大学の「卒業研究」という科目の合否判定に,受験者の服装が影響を与えることはまずない.が,しかし,口頭試問の会場にやってきて,自分だけ他の受
験生とちょっと違う格好をしているのに気づいたとき,あなたは心穏やかでいられるだろうか?
もし「自分なら動揺して発表に影響しそうだ」と考える人は,自分が就職の面接を受けに志望先企業に出向くときと同じような服装を考えるといいだろ
う.
ただ,私も若かりしころ,修士課程の入学試験の面接(当時は同じ研究室で進学しようとする受験者にも一律に面接があった)にうっかり普段着で行って
しまって大いにあわてたような記憶があるので,あまり大きなことは言えない.幸い,不合格にはならなかったが.